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骨粗鬆症 2024上半期(1月から6月まで) 疾患別ベスト5 番外編7位 (51)

[2024.08.26]

皆様こんにちは

今週は実家からワンコ(フランク)が来てます。母と離れて少し寂しそうなフランクです。

というのも、前回のブログで紹介した東京にいる母(喜寿77歳)が転んで肘をぶつけて腕を怪我してしまったからです。転んだ原因はフランクにありバギーからいきなり飛び出したことにあるようですが、思い切り肘をコンクリートに打ち付けたようです。

利き腕ということもあり、治るまでうちで預かることになったわけです。犬種はトイプードルですがトイプードルにしては体が大きく2.5キロくらいあります。よく食べるし散歩も毎日1時間くらいしていたようです。今年でフランクは12歳になりますがその割には元気です^^

母の腕の方はというと、こちらも頑丈で転倒しコンクリートに肘を強打したにも関わらず骨折はなし。77歳でこれは驚異的です!

これは骨が強くないと絶対に折れているはずです。

ではなぜ、そんなに骨が強いのかというと骨粗鬆症の予防を欠かしていないからです。母には以前からプラリアという骨密度を高くする注射を受けるようように指示しておりました。その甲斐あって10年近く骨粗鬆症の予防として東京の方でプラリアという半年に一度の注射を受けてもらっていて、それが今回の大事には至らない結果になったと思ってます。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは骨の量(骨量)が減って骨がもろくなり、骨折しやすくなってしまう病気です。

骨量(骨塩量)とは、骨の中のカルシウムを含んだミネラル成分を言い、骨の中のミネラル量すべてを骨量(骨塩量)と言います。
また骨密度とは、その骨量(骨塩量)をある容積あたりで割ったミネラル量を言います。

ただし、実際の骨強度は下記のように骨密度だけではなく、骨質も重要です。

骨粗鬆症を調べるための検査として広く「骨密度検査」が行われています。
同じ骨密度の人でも実際の骨の強さ(骨強度)は異なるため、骨密度が高くても骨折を生じる人がいますが、骨質の低下によるものと言われています。

例えば、鉄筋コンクリートの建物で、その鉄筋(骨質)と鉄筋コンクリート(骨密度)の強度が異なることをイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。弱い鉄筋にコンクリートを詰めまくっても頼りない感じです。

とはいえ、骨密度7割、骨質3割と言われ。現時点で骨質を数値化することはできないため骨密度で評価をする他ないのですが、糖尿病や腎臓病といった疾患をお持ちの人はそうではない人に比べて骨質が悪いと言われています。

 

 

 

では、その骨粗鬆症の患者数はいかほどか

患者数は高齢社会の日本では1300万人。。いや、予備軍を含めたら人口の三分の一ぐらいいてもおかしくありません。
というのも、骨は20歳代で最も強くなり、その後は加齢やホルモン量の低下により、どんどんと弱くなっていきます。筋肉と同じですね。特に女性の場合、ホルモンバランスが大きく変わる50歳代を機に、骨が弱くなりやすくなり閉経を機に一気に加速します。 最近の研究ではダイエットをしている若い世代でも、起こることや将来的になりやすくなることが知られているので無理なダイエットは控えましょう。

 

診断

骨密度検査の結果はYAM値(若年成人比較%=若年齢の平均骨密度値(基準値)を100%としたときの被検者の%)、簡単にいうと若い人の基準と比べたときにどれくらいの骨密度があるのかという表現です。)として表します。

骨粗鬆症と診断されるのは次の2つの場合です。

大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)や脊椎圧迫骨折(背骨の骨折)を受傷したことがある場合。これらの骨折は骨卒中ともいわれ、骨折後の生活予後を悪化させる可能性が非常に高いものです。
これらの骨折を起こした方は 骨密度の結果にかかわらず、骨粗鬆症と診断されます。

大腿骨や背骨以外(手首や肩、肋骨など)の複数の骨折を受傷したことのある方で、YAM値が80%未満の場合。
YAM値が70%台でも複数の骨折を受傷したことがある場合は骨強度が落ちている=骨粗鬆症と診断されます。

上記にかかわらずYAM値が70%未満の場合。
骨密度そのものが低下しており、非常に骨折しやすい状態となっていると考えられます。
ちなみにYAM値が60%未満の場合は重症骨粗鬆症と診断されます。

当院では、大腿骨と腰椎をしっかりと測定できるDEXA法を使用しているので、確実性が高い方式を採用して半年に1度のペースで経過を追わせていただいております。

 

予防

 

さて、このように骨密度測定が大事ですが、上記にあるような値にならな方としても予防は欠かさないことをお勧めします。

骨量や骨密度の減少を予防するには、カルシウムの摂取やビタミンDの摂取、骨に刺激を与える運動などの方法があります。予防として、これらを内服薬として当院では処方しております。
カルシウムは骨の主な材料で、骨粗しょう症を予防するには積極的に摂取することが大切です。カルシウムは腸で吸収されにくいので、吸収率の高い乳製品や小魚、大豆製品、干物類、緑黄色野菜、とうふなどを食事に取り入れましょう。また、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDや、骨の形成を促すビタミンKも摂取するとよいでしょう。カルシウムとビタミンDを同時に摂ると、腸管でのカルシウム吸収率がよくなります。
 
骨に刺激を与える運動としては、ウォーキングやジョギング、パワーウォーキングなどが適しています。重力が免荷される水中運動よりも重力のかかる陸上での運動が効果的です。また、日光浴でビタミンDを体内で合成することも大切です。母はフランクが原因で怪我を負いましたが、自ずとフランクとの散歩で骨も筋肉も培われてきていたのでしょう。
 
骨質を強化するには、コラーゲンも大切です。ビタミンB6、B12、葉酸は骨のコラーゲンの劣化を防ぎ、コラーゲン形成に重要とされています。
 
治療

 

治療はというと、段階によりまちまちではありますが母の例を出すと、骨密度が初回で70%を切っている場合プラリアを処方することが多いです。ここではプラリアの細かい作用機序は避けますが、骨代謝というものもしっかりみていくことも大事になってきます。

 
簡単にいえば、骨が壊されるのが強いか、作るのが弱いのかで骨の代謝が決まります。
薬はそのタイプや骨密度、またはその方の理解力やライフスタイルで選んでいきます。
 
骨密度が気になった方はお声がけください!
今回はベスト2ではなく骨粗鬆症のお話をいたしましたが、みなさんいつまでも元気に歩けるように日々気をつけていきたいですね!
 
ではでは

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