体外衝撃波治療とは

世界65か国で使用されメジャーリーグで活躍している大谷翔平選手をはじめ、多くのスポーツ選手も取り入れている体外衝撃波治療は、全身の筋・腱の炎症などによる慢性的な痛みに悩んでいる患者様に有用な効果が得られる治療器です。

「衝撃波」とは、「圧力の波」のことで音波の一種となります。気体や液体、個体の中を音速を超えて伝わる圧力の波を「衝撃波」と呼び、もともと医療では、腎臓結石などに対して体外からこの衝撃波を与え、外科手術を行わずに石を砕く治療に利用されてきました。その後、骨折や偽関節等の治療促進、難治性腱症や腱付着部症など軟部組織の疼痛治療といった整形外科領域でも注目され、応用されるようになりました。また、当院ではエコーで患部を同定してから実施するためより効果的な治療を提供できます。

体外衝撃波治療の特徴

短期的な除痛効果	組織修復作用
痛みの原因となる自由神経終末を破壊・減少させ、即自的に痛みが和らぎます。	患部の血流改善効果および血管新生を促進する成長因子の産生が起こり、組織修復が促進されます。

体外衝撃波の仕組み

連続したピストン運動によって発生させた衝撃波を利用します。デバイス先端面は500円玉程度の狭い面積です。出力はデバイス先端が最も高いのですが、距離が深くなるほどその出力は拡散しながら減弱していきます。

体外衝撃波のポイント

体外衝撃波治療は痛みのある患部にあえて衝撃波を照射するため、治療中は痛みを伴います。患部に衝撃波が照射されると必ず痛みを生じますが、正常な組織に同程度の衝撃波を照射しても弱い痛みしか感じません。衝撃波治療では患部に正確に衝撃波が照射されている必要があり、治療効果を高めるためには「照射中の痛み」を感じる事が重要です。治療者は患者様からの痛みの具合を聞き取りながら照射部位を微調整します。これを「バイオフィードバック」と呼びます。
バイオフィードバックを受けながら一定数照射を続けていると、痛みの原因である自由神経終末が破壊され、次第に痛みが和らいできます。衝撃波は出力が高いほど治療効果が高くなるため、照射の痛みが緩和してきたら徐々に出力を上げ、患者様が耐えられる痛みの上限まで出力を上げていきます。この様に治療中は治療者と患者様とのコミュニケーションが治療のポイントとなります。

体外衝撃波治療の適応疾患

慢性的な腱障害(腱付着部炎・腱炎)

• 足底腱膜炎
• アキレス腱炎
• アキレス腱付着部炎
• 上腕骨内側上顆炎
• 上腕骨外側上顆炎
• 石灰沈着性腱板炎
• 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)

骨修復機能異常(骨折・軟骨損傷)

• 疲労骨折
• 偽関節
• 骨折の遷延治療
• 想起の骨壊死
• 早期の離断性骨軟骨炎

その他、国内・国外の学会、研究会等では、小児骨端症(オスグッド、シーバー病など)、ばね指、各種腱鞘炎、手根管症候群、有痛性外脛骨、二分膝蓋骨、シンスプリントなどにも有用であるという報告がされています。

副作用やリスクについて

• 腫れ
• 発赤
• 内出血
• 湿疹
• 治療中及び治療後の痛み
• 感覚異常などの神経障害

※基本的に副作用はありませんが、上記のことが起こる可能性があります。いずれも数時間～数日で軽快します。

体外衝撃波治療をご希望の方へ

リハビリなどで通院中の方は、理学療法士または医師にご相談ください。
初診・再初診で来院される方は、医師の診察を受けていただき、、治療が適応になるか判断させていただきます。完全予約制となりますので、診察時に予約をお願いいたします。
※基礎疾患をお持ちの方やご年齢により体外衝撃波治療を受けられない場合がございますのでご理解下さい。

体外衝撃波治療の料金

体外衝撃波治療は1カ所6000円となります。
個人差はありますが、1カ所1~4回までの施術で1週間程治療感覚は空けさせていいただきます。
また、治療後1週間は運動を控えていただく必要があります。
※自由診療のため保険適応外となります。