タイ修行紀行その2
さて、タイに行っている間に実は個別指導の結果が届いたと連絡がありました。
個別指導って何?って思った方はブログのクリニックの個別指導奮闘記 〜医療現場のサバイバル〜その1の回をご参照ください。
結果は、4段階中上から2番目の経過観察!!
とりあえずは胸を撫で下ろした所で、タイはバンコク国際空港に到着しました。ついて早々時間、ホテル内でウェルカムパーティーがはじまります。
ホテルは5つ星ホテルプルマンバンコクキングパワー
① 屋外プール & プライベートガーデン🌴
都会にいるとは思えないほどのリゾート感!
プールは広くて、デイベッドもたくさんあるので、のんびり過ごせるのが最高!
と言いながらも時間なさすぎていけてない
② 豪華な朝食ビュッフェ🍽️
朝食は「The Junction」と「Cuisine Unplugged」で提供される ビュッフェスタイル
タイ料理から洋食まで種類が豊富
と言いながらも朝起きるのが遅くて朝食丸呑み的な感じで味わえてない
③ キングパワーデューティーフリー直結🛍️
ホテルは 「キングパワー免税店」 に直結していて、宿泊者限定の特典も!
と今知って愕然
とまあ、遊びを満喫するには次回は前日入りしたり、一日多く滞在したりするべきでした^^
さてさて、まあメインは遊びではなく勉強なので仕方なしとして
今回学んだことをまとめておこうと思います。
透視装置を使用したブロックについては前回簡単に書かせていただきましたが、今回一番学んだのは椎間板内治療です。
腰痛や坐骨神経痛の原因となる 椎間板ヘルニアや腰椎椎間板変性症 に対して行われる治療法の一つに 「椎間板ブロック」 があります。従来のブロック注射に加え、最近では 「L-Disk」や「Disk FX」 「ヘルニコア」という最新の低侵襲治療法が注目されています。施設機銃等も必要なため今後に何を選ぶかが肝です。
いずれも、椎間板の内圧を下げて出ているヘルニアを退縮させていくことが目的です。
椎間板ヘルニアにはこのようにタイプ分けがされます。この中で椎間板内への治療で効果的なのは上から2番目の後縦靭帯下脱出型です。下2つは勝手に吸収されていきますし、一番上は圧力が下がりません。なので、術前の見極めがとても重要です。当院では脊椎のドクターと一度必ずカンファレンスを行っております。
他にもいくつかあり、椎間板内治療はバリエーションが豊富で何を行うか迷ってしまいますが、単刀直入に申し上げれば当院の透視装置では行うことができません😭いつか、こういう透視装置を購入するこ科できたらまた治療の範囲が一段階上げることができます。
この装置はCアームと言ってぐるりと回すことができる装置です。
僕も、以前にいた病院ではこちらを使用して椎間板治療を行っていましたが、クリニックではこの機械は高いので諦めてしまいました。
でも、今回参加したことで欲しくなっちゃいましたねー来年度くらいに改装して透視部屋作って買っちゃいましょうかね!
何はともあれ無事にみんな帰宅できて、修了証書ももらえて大満足な3泊4日のタイ旅行でした^^
さて、では、超音波と透視での違いを簡単にまとめておきます
超音波ガイド下神経ブロックと透視ガイド下神経ブロックの違い
神経ブロックは、疼痛管理や手術時の麻酔として広く用いられています。特に 超音波ガイド下神経ブロック(USG: Ultrasound-Guided) と 透視ガイド下神経ブロック(Fluoroscopy-Guided) は、代表的なガイド方法です。これらの技術には、それぞれ異なる特性やメリット・デメリットがあります。
1. 超音波ガイド下神経ブロック(USG)
特徴
- 超音波(エコー)を用いて、リアルタイムで神経や血管、筋肉などの軟部組織を観察しながら針を進める。
- 針先の位置や薬液の拡散を直接確認できる。
- 放射線被ばくがない。
メリット
✅ リアルタイムの可視化
→ 神経や血管を確認しながら処置ができるため、安全性が高い。
✅ 被ばくなし
→ 放射線を使用しないため、患者や医療スタッフの被ばくリスクがない。
✅ 神経近傍への正確な注入
→ 神経の位置を直接確認できるため、より正確に局所麻酔薬を投与可能。
✅ 軟部組織の観察が可能
→ 筋肉、血管、靱帯なども視認できるため、穿刺部位の選択が容易。
デメリット
❌ 骨構造の視認が難しい
→ エコーでは骨は白く映るが、骨内部の構造は見えないため、深部の神経ブロックには不向き。
❌ 視認性が技術に依存
→ 使用者の技術により、画像の見やすさや正確性が変わる。
❌ 空気や石灰化があると視認性が低下
→ 例えば手術後の瘢痕組織があると、超音波が遮られやすい。
神経ブロックの点以外で考えれば
筋肉や靭帯の損傷の診断には確実にエコー
2. 透視ガイド下神経ブロック(Fluoroscopy)
特徴
- X線透視を用いて、骨構造を基準に針を進める。
- 造影剤を用いることで、薬液の広がりを確認可能。
- 脊椎や硬膜外ブロックなど、深部の神経ブロックに適している。
メリット
✅ 骨を基準に正確なアプローチが可能
→ 脊椎や椎間孔を狙う神経ブロック(例:硬膜外ブロック、選択的神経根ブロック)に適している。
✅ 造影剤を用いることで薬液の広がりを確認できる
→ 局所麻酔薬が適切な位置に拡散しているかを客観的に評価可能。
✅ エコーでは見えにくい深部の神経ブロックが可能
→ 例えば胸椎の裏や椎体の奥などの腹腔神経叢や頭の中などの三叉神経ブロック
デメリット
❌ 放射線被ばくがある
→ 透視を繰り返すことで、患者および医療スタッフが被ばくするリスクがある。
❌ 軟部組織の詳細が見えない
→ 神経や血管、筋肉などはX線では直接描出されないため、解剖学的ランドマークを基に針を進める必要がある。
❌ リアルタイムで針先を観察できない
→ 針の位置は断面的に確認するため、三次元的な動きを捉えにくい。
3. どちらを選択するべきか?
比較項目 | 超音波ガイド下 | 透視ガイド下 |
---|---|---|
リアルタイムの可視化 | ✅ 可能 | ❌ 限定的 |
放射線被ばく | ❌ なし | ✅ あり |
骨構造の視認 | ❌ 難しい | ✅ 容易 |
軟部組織の視認 | ✅ 可能 | ❌ 不可 |
適応部位 | 末梢神経、筋肉 | 深部神経、脊椎 |
まとめ
超音波ガイド下神経ブロックは軟部組織や神経を直接可視化できるため、安全性が高く、放射線被ばくもありません。一方で、透視ガイド下神経ブロックは骨を基準にした深部の神経ブロックに適しており、造影剤を用いることで薬液の広がりを確認できます。
それぞれの技術には長所と短所があるため、患者の状態や施行する部位に応じて適切な方法を選択することが重要です。
次回からはまず超音波エコーでどのような治療が可能かをご説明して参ります。