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パーソナルトレーニングにおける栄養(45)

[2024.07.22]

皆様おはようございます!

先週末はペインクリニック学会で心理療法の分野で発表してまいりました。心理療法自体は全然経験が浅いのですが、痛みという分野はとても奥が深いものであるためこちらの勉強も欠かしてはいけません。

ただ。今回の発表は心理療法と言ってもVRを使用してみたもので、注射をする前にVRを使用したグループとそうでないグループに分けて痛みと緊張の差についてデータを出したものです。

自分自身が心理療法を学んできたわけではないので、VRに頼った研究内容となりました。心理療法もしっかりと勉強しなければ痛みのスペシャリストは名乗れませんね。。。

この場をお借りしてご協力いただいた患者様方。本当にありがとうございました。

 

さて、今週はNSCAの勉強に戻り

パーソナルトレーニングにおける栄養

を勉強しましょう。

トレーニングに必要なエネルギー必要量は、個人の基礎代謝率(BMR)、活動レベル、トレーニングの強度や頻度に応じて異なります。以下に、エネルギー必要量を計算するための基本的なステップと一般的な指標を示します。

1. 基礎代謝率(BMR)の計算

基礎代謝率(BMR)は、安静時に消費されるエネルギー量です。ハリス-ベネディクト方程式を使用して計算できます。

男性の場合:

BMR=88.362+(13.397×体重(kg))+(4.799×身長(cm))−(5.677×年齢(歳))\text{BMR} = 88.362 + (13.397 \times \text{体重(kg)}) + (4.799 \times \text{身長(cm)}) - (5.677 \times \text{年齢(歳)})

女性の場合:

BMR=447.593+(9.247×体重(kg))+(3.098×身長(cm))−(4.330×年齢(歳))\text{BMR} = 447.593 + (9.247 \times \text{体重(kg)}) + (3.098 \times \text{身長(cm)}) - (4.330 \times \text{年齢(歳)})

2. 活動レベルに基づくエネルギー消費量の計算

次に、BMRに活動レベルに応じた係数を掛けて、総エネルギー消費量(TDEE)を計算します。

活動レベルの係数:

  • 座りがち(運動なし): BMR × 1.2
  • 軽い運動(週1〜3回の軽い運動): BMR × 1.375
  • 中程度の運動(週3〜5回の中程度の運動): BMR × 1.55
  • 積極的な運動(週6〜7回の激しい運動): BMR × 1.725
  • 非常に積極的な運動(毎日の激しい運動や肉体労働): BMR × 1.9

3. トレーニングのエネルギー必要量の調整

レジスタンストレーニングのエネルギー消費量は、トレーニングの強度と持続時間に依存します。以下は一般的な指標です。

  • 軽いレジスタンストレーニング: 3-5 kcal/分
  • 中程度のレジスタンストレーニング: 5-8 kcal/分
  • 高強度のレジスタンストレーニング: 8-12 kcal/分

具体的なトレーニング時間を考慮して計算します。例えば、1時間の中程度のレジスタンストレーニングを行う場合、以下の計算が適用されます。

消費エネルギー=60分×5−8kcal/分=300−480kcal\text{消費エネルギー} = 60 \text{分} \times 5-8 \text{kcal/分} = 300-480 \text{kcal}

4. 総エネルギー必要量の計算

これらのエネルギー消費量を基に、1日の総エネルギー必要量を計算します。

例:

  • 30歳男性
  • 体重:70kg
  • 身長:175cm
  • 中程度の運動(週3〜5回の運動)
  • 1時間のレジスタンストレーニング
  1. BMRの計算: BMR=88.362+(13.397×70)+(4.799×175)−(5.677×30)=1690kcal/day\text{BMR} = 88.362 + (13.397 \times 70) + (4.799 \times 175) - (5.677 \times 30) = 1690 \text{kcal/day}

  2. TDEEの計算(中程度の運動): TDEE=BMR×1.55=1690×1.55=2610kcal/day\text{TDEE} = \text{BMR} \times 1.55 = 1690 \times 1.55 = 2610 \text{kcal/day}

  3. トレーニングエネルギーの加算: 総エネルギー必要量=TDEE+トレーニング消費エネルギー=2610+300−480=2910−3090kcal/day\text{総エネルギー必要量} = \text{TDEE} + \text{トレーニング消費エネルギー} = 2610 + 300-480 = 2910-3090 \text{kcal/day}

この計算は個人差や特定のトレーニング内容に依存するため、具体的な状況に応じて調整が必要です。

栄養素について

1. タンパク質

役割: 筋肉の修復と成長に不可欠な栄養素。トレーニングによって破壊された筋繊維の修復と新たな筋肉の形成を助けます。

  • 推奨摂取量: 体重1kgあたり1.6〜2.2gのタンパク質が一般的に推奨されます。
  • 良い供給源: 鶏肉、牛肉、魚、卵、乳製品、豆類、ナッツ、プロテインサプリメント。

2. 炭水化物

役割: 主なエネルギー源。トレーニング中のパフォーマンスを維持し、トレーニング後の回復を助けます。

  • 推奨摂取量: 活動レベルに応じて、総エネルギー摂取量の45〜65%が炭水化物から供給されるべきです。
  • 良い供給源: 全粒穀物、果物、野菜、豆類。

3. 脂質

役割: エネルギー供給、ホルモンの生成、細胞膜の構成に重要。適度な脂質摂取は全体的な健康とトレーニング効果に貢献します。

  • 推奨摂取量: 総エネルギー摂取量の20〜35%が脂質から供給されるべきです。
  • 良い供給源: オリーブオイル、アボカド、ナッツ、種子、脂肪の多い魚(サーモン、マグロ)。

4. ビタミンとミネラル

役割: 代謝機能の調整、骨の健康維持、免疫機能のサポートなどに重要です。

  • カルシウム: 骨の健康と筋肉の収縮に必要。乳製品、緑黄色野菜、豆腐などから摂取。
  • ビタミンD: カルシウムの吸収を助け、骨の健康を維持。日光浴、サーモン、卵黄などから摂取。
  • : 酸素の運搬を助け、エネルギー代謝に関与。赤身肉、ほうれん草、豆類から摂取。
  • マグネシウム: 筋肉の収縮とリラックスに重要。ナッツ、種子、全粒穀物から摂取。

5. 水分

役割: 体温調節、栄養素の運搬、老廃物の排出などに重要。十分な水分摂取はパフォーマンスの維持と回復に寄与します。

  • 推奨摂取量: 一般的には1日あたり2〜3リットルの水を目安に。トレーニング中はさらに多くの水分が必要です。

栄養摂取のタイミング

  • トレーニング前: エネルギー供給のために、炭水化物中心の軽食を摂ることが推奨されます。例えば、バナナや全粒パン。
  • トレーニング後: 筋肉の回復を促進するために、タンパク質と炭水化物を含む食事を摂取。例えば、チキンと野菜、プロテインシェイク。

適切な栄養摂取は、トレーニングの成果を最大化し、身体の健康を維持するために不可欠です。個々のニーズに応じて、栄養計画を調整することが重要です。

 

日本人と米国人は違いますがここは押さえておきたい栄養素ですね。

さて、NSCAと本執筆内容を交互にまたはゲリラ的に執筆の内容を上げていきたいと思っているので今後も応援よろしくお願いしまーす。

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