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バイオメカニクス3 (44)

[2024.07.17]

レジスタンストレーニングによる身体の短期的適応と長期的適応について説明します。

短期的適応

  1. 神経系の適応:

    • 運動単位の活性化: 初期の数週間では、神経系の適応が主に起こり、運動単位(筋繊維のグループ)をより効率的に活性化できるようになります。
    • 筋肉の協調性の向上: 異なる筋群間の協調が改善され、より効率的な動きが可能になります。
  2. 筋肉の適応:

    • 筋肉の水分貯留: トレーニング直後には筋肉内の水分が増加し、一時的に筋肉が膨張します。
    • エネルギー供給の増加: 筋肉内のATPやグリコーゲンの蓄積が増え、エネルギー供給が改善されます。
  3. ホルモンの変化:

    • 成長ホルモンとテストステロンの分泌増加: トレーニング直後にはこれらのホルモンの分泌が一時的に増加し、筋肉の修復と成長が促進されます。

長期的適応

  1. 筋肉の成長(筋肥大):

    • 筋繊維の増大: 持続的なトレーニングにより、筋繊維のサイズが増加し、筋肉が大きくなります。
    • 筋力の増加: 筋肉のサイズと神経系の適応により、持ち上げられる重量や持続的に出せる力が増加します。
  2. 骨密度の向上:

    • 骨の強化: 長期間のトレーニングにより、骨密度が増加し、骨折リスクが低減します。
  3. 身体組成の変化:

    • 体脂肪の減少: 筋肉量の増加に伴い、基礎代謝が高まり、体脂肪が減少しやすくなります。
  4. 代謝の改善:

    • インスリン感受性の向上: 長期的なトレーニングはインスリン感受性を改善し、糖代謝が効率的になります。
    • 脂質代謝の向上: 血中の脂質プロファイルが改善され、心血管系の健康が向上します。
  5. 心肺機能の向上:

    • 循環器系の健康増進: 血圧の安定化や心臓のポンプ機能の改善が見られます。
  6. 心理的効果:

    • ストレス耐性の向上: 継続的な運動はストレス耐性を高め、精神的な健康を改善します。
    • 自己効力感の向上: 長期的なトレーニングの成功体験は自己効力感を高め、自信を向上させます。

       

      個人の要因

      • 遺伝: 遺伝的な要素は筋肉の成長速度や筋力の向上に影響します。個人差が大きいです。
      • 年齢: 若いほど筋肉の成長が速い傾向がありますが、高齢者でもトレーニングによって筋力や筋肉量を増やすことが可能です。
      • 性別: 男性はテストステロンの影響で筋肉量が増えやすいですが、女性も筋力の向上や体脂肪の減少に大きな効果があります。
      • 体格: 身体のサイズや形状もトレーニングの結果に影響します。
      • 経験レベル: トレーニング経験が豊富な人は新たな刺激に適応しやすい一方、初心者は基本的なトレーニングから始める必要があります。

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