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ブログ.33 新たなる試み メディカルチェック①

[2024.05.07]

皆さま、こんにちは!

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?私は家族で初のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に行ってきました。USJの世界観は本当に素晴らしいものがありました。歩いては並んでの繰り返しで足が棒になりましたが、最近体を鍛えているのでスタスタと歩き回れてかなり筋力がアップしているのを感じています。やはり日頃からの自分へのメンテナンスは必須ですね!

ということで、日頃からのトレーニングや体調管理に、今回はメディカルトレーニングを行うためにより効果的に行えるようにするためのメディカルチェックについてお話ししたいと思います。

メディカルチェックは採血と体組成計で体内のチェックをします。採血は一般的な項目以外にも用意しているものがありますがそれは次の機会にお話しするとして、今回は一般的な採血についてです。採血は実は1つ1つの一般的に採られている項目もしっかりと理解してみると色々なことがわかってくるのです。メディカルチェックでは高値異常値の値はもちろん、低値などにの着目し現在の栄養状態などをお伝えすることができます。トレーニングやファスティングを行う前に一度メディカルチェック(保険診療)を受けていただくことをお勧めいたします。いわゆる栄養学の観点からお話しいたします。

 

では採血についてお話ししましょう

一般的採血は血算と生化学です

血算は血液中の異常な成分や細胞数を測定する検査です。これにより、様々な疾患や健康状態を評価し、診断することができます。

1. 血算(血液検査)

  • 赤血球数(RBC): 血液中の赤血球の数。貧血や多血症などの状態を評価します。

  • ヘモグロビン(Hb): 血液中のヘモグロビンの量。ヘモグロビンは酸素を運搬するためのタンパク質であり、貧血の診断や重症度を評価します。

  • ヘマトクリット(Hct): 血液中の赤血球の割合を示す指標。赤血球の容積比率として表され、貧血の診断や重症度を評価します。

  • 白血球数(WBC): 血液中の白血球の数。感染や炎症の程度を評価します。

  • 血小板数: 血液中の血小板の数。凝固機能を評価し、出血傾向や凝固異常を検出します。

生化学検査は、血液や尿などの生体試料中の化学的な成分や代謝物質の量を測定する検査です。これにより、臓器の機能や代謝状態、特定の疾患の有無などを評価することができます。

2. 生化学検査:

  • 血糖値: 血液中のブドウ糖(グルコース)の濃度。糖尿病の診断やモニタリングに使用されます。

  • 尿素窒素(BUN): 血液中の尿素の濃度。腎臓の機能を評価します。

  • クレアチニン(Cr): 血液中のクレアチニンの濃度。腎臓の機能を評価します。

  • アルブミン: 血液中のアルブミンの濃度。肝機能や栄養状態を評価します。また、血液中のタンパク質の主要な成分です。

  • 酵素:

    • AST(アスパルテートアミノトランスフェラーゼ): ASTは肝臓や心臓、筋肉などに存在し、肝臓や心臓の損傷を評価します。
    • ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ): ALTは肝臓に特に存在し、肝臓の損傷や疾患を評価します。
    • ALP(アルカリフォスファターゼ): ALPは肝臓や骨、腎臓などに存在し、肝臓や骨の異常を評価します。
    • γ-GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ): γ-GTPは肝臓に存在し、肝臓の機能や胆管の障害を評価します。
  • 電解質:

    • ナトリウム(Na): 血液中のナトリウムの濃度。水分バランスや神経伝達に影響を与えます。
    • カリウム(K): 血液中のカリウムの濃度。心臓のリズムや筋肉の収縮に影響を与えます。
    • クロール(Cl): 血液中のクロールの濃度。水分バランスや酸塩基平衡に影響を与えます。

 

と、こんな感じで代表的なものを列挙させていただきました。外来で一般的にこれらを採血されるかと思います。そして大体で異常値と言えば高値のみばかり指摘されがちです。

でも栄養学で大事なことは足りていない部分

なのです

つまり、値が低い部分に目を向けたり、比率に目を向けると一般的な採血の項目でもさらにいろいろなことがわかってくるのです。

とはいえ以上高値は絶対に気になるでしょうからまずはそこの説明からいきましょう。

まずはみなさんが気になるところはよく耳にするここら辺の酵素ですよね

AST、ALT、ALP、γ-GTP

これらは逸脱酵素と言われていて、主に肝臓や心臓などの臓器の組織破壊で漏れ出てくることにより数値が上昇します。特にALTは肝臓特有の酵素なので肝臓の機能の指標によく使われますよね。ほかにもCK,リパーゼ、ALPなど多くの指標があります。

簡単に解釈するならこれらの基準値が高くなっていたらそれらを構成している臓器のどれかがダメージを負っていると考えてもらえたらいいのですね。

でも!

それだけじゃあ、ダメです。

ここでまず第1回目はBUNについて深掘りしていきましょう。なぜなら、BUNは様々なことを知らせてくれる項目なのです。

BUN 基準値8〜22mg/dl

「Blood Urea Nitrogen(ブラッド・ユリア・ナイトロゲン)」の略称であり、日本語では「尿素窒素」と訳されます。BUNは、血液中の尿素の濃度を測定する生化学的な検査項目です。尿素は体内でタンパク質代謝の産物として生成され、主に肝臓で生成されたアンモニアを含む尿素サイクルを経て形成されます。

BUNの測定は、腎臓の機能や窒素代謝の評価に使用されます。通常、BUNの濃度は、腎臓の機能や尿量、水分摂取量、タンパク質摂取量などに影響を受けます。腎臓が正常に機能している場合、尿素は適切に尿中に排泄され、血液中の濃度は一定範囲内に維持されます。しかし、腎臓の機能が低下すると、尿素の排泄が減少し、血液中の濃度が上昇します。

BUNは上記に書いたように腎機能を反映しますが、 BUNとは一体何か?BUNはタンパク質の最終産物です。

つまり、BUNが高い場合は腎機能異常や脱水、出血、感染などを示唆しますが 低い場合はタンパク質摂取不足やビタミンB群摂取不足、またはタンパク質の代謝の低下が考えられます。

ではどの程度から低値に気をつけたらよいか?

私は15mg/dl以下を基準として考えております。

このように、採血結果も取り入れてトレーニング前に確認しておくと良いでしょう。

さて、次回はみなさま気になるAST,ALT,γGTPについてお話しします。

 

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