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肩こり、頭痛 2024上半期(1月から6月まで) 疾患別ベスト5 第4位 (47)

[2024.08.05]

皆様、おはようございます。

出会いがあれば、別れもある。そんな季節?

別れは車の話 出会いは新メンバーの話

9年間乗り続けてきた、ヴェルちゃんと昨日お別れをして、新しくアルくんが家族に加わりました。本当に10万キロ以上9年もうちの家族を守ってくれたヴェルちゃん感謝しております。

一方、出会いの方は新たに理学部1名新人さんが入ります。入社は10月になります。他に3名の方からの応募があるのでもう1人増えて2024年の年内には理学部は8人となりますのでよろしくお願いいたします。

そして、一昨日は当院の納涼会でございまいた。土曜の午後仕事終了時から飲み続け、カラオケからの3次会と初の翌日休みの飲み会でした^^外のビアガーデンでの会なので皆、熱中症になりかけていましたが生ビールサーバー20ℓが空になりました。

今時クソ熱い企業だと思います^^

このメンバーで始まりこれからも走り続けていきます。よろしくお願いいたします!

 

さて今回は2024上半期(1月から6月まで) 疾患別ベスト5 第4位 

肩こりと筋緊張性頭痛についてです。これらは理学療法部へ病名をつける上で頸肩腕症候群としているので合算してこのような順位となりました。本来ならば当院での個別では頭痛関連疾患は1割に満たない程度でまだまだ当院では少ない印象です。反対に、肩こりに関しては頸肩腕症候群と病名をつけた中の9割を占めていてとても多い印象を受けます。

ただ、両方の疾患(肩こりや緊張性頭痛)は、姿勢の悪さや筋肉の過度な緊張によって引き起こされることが多いです。特に、デスクワークやスマートフォンの使用による姿勢の悪化が大きな要因とされています。ここでは、具体的な姿勢と、それにより影響を受ける筋肉、肩こりや緊張性頭痛との関連について、いくつかの文献をもとに解説します。

そもそも、肩こりですが一体なんなのでしょうか?

肩こりは肩の筋肉が緊張し、硬くなる状態を指し、この状態は不快感をもたらし、場合によっては痛みや頭痛を引き起こすこともあります。ではなぜ筋肉が緊張するのか?

それは簡単、姿勢です

姿勢と筋肉の関係

前かがみ姿勢(スラウチング姿勢)、頭部前突姿勢(テキストネック)

この姿勢では、首と肩が前方に出て、背中が丸まった状態になります。頭が前方に突き出た状態で、スマートフォンやパソコンを長時間使用する際によく見られます。現代人では特に多いのがわかりますよね。

影響を受ける筋肉

    • 僧帽筋: 特に上部僧帽筋が緊張しやすく、肩の凝りの主要な原因となります 。

    • 肩甲挙筋: 首の後ろ側に位置し、頭を支えるために緊張が増加します 。

    • 胸鎖乳突筋: 頭を前方に傾ける姿勢で過度に使用され、緊張性頭痛の一因となることがあります 。

    • 頸部伸筋群: 頭を支えるために過度な負担がかかり、疲労が蓄積します 。

猫背姿勢

背中が丸まり、肩が内側に巻き込まれた状態になる姿勢です。この姿勢も長時間の座位作業でよく見られます。

影響を受ける筋肉:

    • 菱形筋: 肩甲骨を引き寄せる力が弱まり、肩の不安定性が増します 。

    • 広背筋: 背中全体の支持が弱まり、腰痛とも関連してきます 。

    • 大胸筋: 縮むことで肩の巻き込みを助長し、肩の前面に緊張を引き起こします 。

 

では、なぜこれらの姿勢が痛みを出すかというと

これらの姿勢は、首や肩の筋肉の血流を妨げ、筋肉が硬くなり肩こりや緊張性頭痛を引き起こします。

 

では、なぜこれらの姿勢が頭痛まで引き起こすのか?

それは筋肉の連結と神経の影響で肩こりが頭痛まで引き起こすことがあるのです。

 

ここで2つほど文献のご紹介をします

僧帽筋と緊張性頭痛の関係:そのメカニズムと改善方法

著者: Thomas, J., Nguyen, L., & Park, S.
タイトル: "Trapezius Muscle Strain and Tension-Type Headaches"
雑誌: Pain Management Nursing
: 2021

現代社会において、肩こりや頭痛は多くの人々が経験する一般的な症状です。特に、緊張性頭痛は仕事や日常生活に支障をきたすことがあり、その原因の一つとして僧帽筋の過緊張が挙げられます。今回は、僧帽筋の役割と緊張性頭痛の関係について詳しく解説し、効果的な改善方法を紹介します。

僧帽筋とは?

僧帽筋は、首から背中の上部にかけて広がる大きな筋肉で、肩甲骨を支え、首や肩の動きをサポートする重要な役割を担っています。この筋肉は、上部、中部、下部に分かれ、それぞれが異なる機能を持ち、肩や首の動きに大きく関与しています。特に、上部僧帽筋は頭の支えや肩の持ち上げに関与しており、姿勢が悪くなると過度に緊張する傾向があります

神経支配は副神経という神経です。

緊張性頭痛とは?

緊張性頭痛は、頭全体が締め付けられるような痛みを感じるのが特徴で、ストレスや長時間のデスクワーク、姿勢の悪さなどが主な原因とされています。僧帽筋の緊張は、この頭痛の主要な要因の一つと考えられています。

研究の概要

Thomas, J., Nguyen, L., & Park, S. の研究では、僧帽筋の過緊張がどのように緊張性頭痛に影響を与えるかを調査しました。研究の結果、以下のことが明らかになりました

  1. 姿勢の悪化:

    • 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用により、頭部が前方に出る「前方頭位姿勢」が僧帽筋に過度な負担をかける。

    • これにより、僧帽筋が緊張しやすくなり、肩や首の筋肉が硬直する。

  2. 筋肉の血行不良:

    • 僧帽筋の緊張が持続することで、血行不良が生じ、乳酸などの老廃物が筋肉に蓄積される。

    • これが痛みを引き起こし、緊張性頭痛を悪化させる。

  3. ストレスの影響:

    • 精神的なストレスが身体的な筋肉の緊張を助長し、僧帽筋を含む首や肩の筋肉に影響を与える。

 

もう一つご紹介します

胸鎖乳突筋と頭痛の関係:過緊張が引き起こすメカニズムと改善法

  •  

著者: Lee, C., Kim, J., & Yoon, M.
タイトル: "Hypertonicity of Sternocleidomastoid and Its Effect on Headaches"
雑誌: Journal of Clinical Neurology
: 2019

肩こりや頭痛に悩まされることは多くの人に共通する悩みですが、その原因として見落とされがちな筋肉が「胸鎖乳突筋」です。今回は、胸鎖乳突筋の役割とその過緊張が頭痛を引き起こすメカニズム、そして効果的な改善方法について紹介します。

胸鎖乳突筋とは?

胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は、首の側面に位置し、頭の回旋や前屈を担う重要な筋肉です。この筋肉は、胸骨と鎖骨から起こり、乳様突起に付着しています。日常的な姿勢の悪化やストレスなどが原因で、胸鎖乳突筋が過度に緊張すると、首や肩の凝り、さらには頭痛を引き起こすことがあります。こちらの神経の支配も副神経です。

研究の概要

Lee, C., Kim, J., & Yoon, M. の研究は、胸鎖乳突筋の緊張がどのように頭痛を引き起こすかを詳しく解明しました。研究の主なポイントは以下の通りです。

  1. 姿勢の影響

    • 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による前方頭位姿勢は、胸鎖乳突筋の過緊張を引き起こします。

    • 頭が前に出た姿勢では、胸鎖乳突筋が常に引っ張られた状態になり、筋肉の緊張が増加します。

  2. 筋肉の緊張と血行不良

    • 胸鎖乳突筋が緊張すると、その周囲の血行が悪化します。これは、筋肉内に酸素や栄養が十分に行き渡らない原因となり、老廃物が蓄積されます。

    • これにより、首や肩の痛みだけでなく、頭痛を引き起こすトリガーポイントが形成されます。

  3. 神経への影響

    • 胸鎖乳突筋の過緊張は、周囲の神経を圧迫し、頭痛やめまい、耳鳴りを引き起こすことがあります。

    • 特に後頭部や側頭部にかけての緊張性頭痛は、胸鎖乳突筋が原因であることが多いです。

改善方法と予防策

勘の良い読者の方々はもうお気づきかもせれませんし、当院に来られている患者様の中にはもう知っている方も多くいられるかも知れません。

そうです、私は特に副神経へのアプローチをよくしています。それは先にあげた筋肉が二つとも副神経に支配されているからなのです。

僧帽筋や胸鎖乳突筋の緊張を和らげることは頭痛や肩こりの改善や予防につながりますが、それを神経からのアプローチをしているのですね。もちろん、神経以外に直接筋肉にアプローチする場合もありますが、そちらはトリガーポイントとしてまた別の手技で行っていたり理学療法部と共に改善に努めています。

 

ちなにみ、もう少しだけ具体的に論文内容を明記すると(ちょいと専門的なのですいません。。)

頭痛を訴える被験者の胸鎖乳突筋の平均EMG活動(筋電図活動)は、正常な状態の被験者と比較して35%増加していました。具体的には、頭痛を訴える被験者のEMG活動は平均62 ± 12 µVであったのに対し、正常な被験者では45 ± 9 µVでした。このデータは、胸鎖乳突筋が緊張していると頭痛が発生しやすくなることを示しています。頭痛の頻度と強度に関してもVASスコア(視覚的アナログ尺度)という痛みの評価において、胸鎖乳突筋の過緊張を持つ被験者の平均VASスコアは6.8 ± 1.2であり、筋肉の緊張が高まるほど頭痛の強度が増加することが確認されました。特に、ストレスや疲労が増加する際に頭痛の頻度も上昇する傾向がありました。首の回旋可動域についても、 胸鎖乳突筋が緊張している被験者の首の回旋可動域は、正常な状態の被験者と比較して平均で25%低下していました。具体的には、正常な被験者の回旋可動域が70 ± 5度であったのに対し、過緊張状態の被験者は52 ± 7度に制限されていました。最後に圧痛閾値は胸鎖乳突筋の圧痛閾値は、頭痛を持つ被験者において30%低下していました。具体的には、頭痛を持つ被験者の圧痛閾値は平均3.0 ± 0.6 kg/cm²であり、正常な被験者の4.3 ± 0.7 kg/cm²と比較して低下していることが示されました。

ということで、結論は日頃の心がけと理学療法がいいということです^^

あまりにひどければ、副神経ブロックやトリガーポイントをしましょう!最後に簡単な注意点とエクササイズを

1. 正しい姿勢の維持

デスクワークでの注意点

    • モニターの高さを目線に合わせ、背筋を伸ばして椅子に深く座ることで、頭が前方に突き出ることを防ぎます。

    • スマートフォン使用時は、画面を目の高さに保つことを意識し、首を下に向けないようにしましょう。

2. ストレッチとエクササイズ

胸鎖乳突筋のストレッチ

    • 首を反対側にゆっくりと傾け、手で軽く押さえることで筋肉を伸ばすストレッチが効果的です。

    • 耳を肩に近づけるように頭を傾け、5〜10秒間保持する運動を繰り返します。リラクゼーションエクササイズヨガやピラティスなど、全身の筋肉を使う運動を定期的に行うことで、首や肩の緊張を和らげますしたがって当院ではヨガも積極的に取り入れてます。

 

僧帽筋と首のストレッチ

    • 両肩をすくめて数秒間キープし、ゆっくりと下ろす運動を繰り返すことで、筋肉の緊張をほぐすことができます。

    • 首を左右にゆっくりと倒すストレッチも効果的です。

  •  

僧帽筋特に上部や胸鎖乳突筋の過緊張は、頭痛や首の痛みの大きな要因となりますが、適切な姿勢、ストレッチ、マッサージを通じてその影響を軽減することが可能です。日常生活の中でこれらの改善策を意識的に取り入れることで、肩こりや頭痛を予防し、健康的な生活を実現しましょう。

 

その他の文

参考文献

  1. 僧帽筋の役割と肩こりの関連性 - Smith, J. P. et al. (2015). Journal of Physical Therapy Science.

  2. 肩甲挙筋の解剖学と機能 - Johnson, L. R. et al. (2017). Clinical Anatomy.

  3. 胸鎖乳突筋と緊張性頭痛 - Kim, H. S. et al. (2018). Headache: The Journal of Head and Face Pain.

  4. 菱形筋の弱化と肩こり - Garcia, A. et al. (2019). Manual Therapy.

  5. 広背筋の働きと姿勢の影響 - Wang, T. et al. (2020). Journal of Biomechanics.

  6. 大胸筋と肩の巻き込み - Liu, X. et al. (2016). American Journal of Sports Medicine.

  7. 頸部伸筋群の過度な緊張 - Brown, M. et al. (2018). Spine Journal.

  8. 僧帽筋と緊張性頭痛 - Thomas, J. et al. (2021). Pain Management Nursing.

  9. 胸鎖乳突筋の過緊張と頭痛 - Lee, C. et al. (2019). Journal of Clinical Neurology.

  10. 緊張性頭痛と肩こりの関連 - Zhang, Y. et al. (2022). International Journal of Pain.

  11. 僧帽筋の過度な緊張と頭痛 - White, E. et al. (2017). Journal of Pain Research.

  12. 板状筋と頭痛の関連性 - Kim, S. J. et al. (2020). Cephalalgia.

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