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特殊治療 硬膜外腔癒着剥離術(Raczカテーテル)(9)

[2023.11.20]

最近一段と寒さが増してきましたね。皆様はいかがお過ごしでしょうか?我が家は子供らの風邪バトンリレーで順番にうつって大変です。私は元気ですが!くれぐれもお気をつけください。

当院ではインフルエンザの予防接種もしてるのでお気軽にお声かけください。

さて、当院も2ヶ月が経ちだいぶ安定してきました。今後の保険診療の改定や皆保険制度の見直しなどで、この先自由診療も多く取り入れていこうとは思いますが、当院の保険診療内で行える特殊治療の代表格である

硬膜外腔癒着剥離術(ラクツカテーテル)

についてお話しいたします。

現在ほぼ毎日、午後1件づつのペースで施術させていただいております。

ラクツカテーテルはこのように透視室でx線を使いながら行う治療法でが、すでに予約は1ヶ月先まで埋まっているという状況です。私はこの方法を使用し三島総合病院で数多くの治療行ってきました。

では、そのラクツカテーテルとは一体なんでしょう?

皆様の中に

『脊柱管狭窄症ですね!! 手術しましょう!』

『椎間板ヘルニアですね!!手術しましょう!』

『手術はうまくいったから痛いはずないよ。』

と言われた経験はありませんか?

 

当院では、脊柱管狭窄症や脊椎手術後の再発や痛みが継続してしまっている場合にもこちらの方法を行なっています。もちろん、手術がすぐに必要だと判断した場合にはすぐに手術を勧めております。

椎間板ヘルニアに対しては内視鏡下の手術を勧めています。

 

ですが、ちょっと待ってください。その前に試す価値ありです。

そもそも、脊柱管狭窄症だと思って治療されている方の中には梨状筋症候群や腓骨神経の絞扼による末梢神経の病態の方も多くいらっしゃるので、当院では0からまた診断させていただいております。

そこの鑑別の意味合いもあり、当院ではまずは、仙骨裂孔というところから注射20ml生理食塩水を注入する方法を先んじて行わせていただき、いつもの部位に痛みが発現(再現痛+)すればラクツカテーテルを勧めています。

なぜかというと、痛みが発現することすなわちそこに病態があるからです。

この治療の根拠となるのは先週、ハイドロリリースのお話させていただきましたように、組織の癒着によるものです。ハイドロリリースは末梢神経や筋膜、その他の結合組織に主に行われています。では中枢神経レベルでの癒着による狭さは取ることはできないのでしょうか?

いや、できます。脊髄の周囲、つまり硬膜外腔という空間の狭さや癒着を取り除くことで下肢の症状などを改善することできる場合があります。

硬膜外腔(こうまくがいくう)は、神経の周りにある硬膜という薄い膜と、背骨との間にある空間のことをいいます。

 脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、背骨の手術などによって硬膜外腔に炎症が起こると、炎症が治っていくときに硬膜外腔の「癒着(ゆちゃく)」が起こります。傷がなおるときにかさぶたができるようなイメージです。硬膜外腔の癒着が起こると、腰・足の痛みが出ることがあります。厄介なのは、癒着があると、神経ブロックの治療薬が痛みの原因となっている場所に広がりにくくなってしまい、硬膜外ブロックや神経根ブロックといった通常の治療ではなかなかよくなりません。

 そのような場合に、専用のカテーテルを使って神経の周りにある癒着をきれいにすることで腰・足の症状を和らげる「硬膜外腔の癒着をはがす手術」という治療法が、1980年代にアメリカで生まれました。日本では2018年に「硬膜外腔癒着剥離術」という手術として保険適応になり、今では世界各国で広くおこなわれています。当初は2.3日間入院して行われていましたが、最近では「日帰り手術」という形で行うことが増えてきており、当院でも腰椎由来の症状に対して日帰りでの手術を行っています。

もし、このような症状でお困りの方は是非当院までお越しください。

 

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