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オーソモレキュラーについて一緒に学びましょう その1

[2025.04.21]

皆さんおはようございます!

さて今日からオーソモレキュラーについて一緒に学んでいきましょう。

前回のブログに書いたように当院では、全員に適応する訳ではないです。検査や身体所見をしっかりと行い器質的(画像や理学所見)がないものに対して、慢性の原因不明の全身痛や頭痛など限られた条件のみ行わせていただきます。

さて、

オーソモレキュラー療法とは?

オーソモレキュラー療法とは、身体にとって「最適な(ortho)分子(molecular)」、つまり身体が本来必要とする栄養素(ビタミンやミネラルなど)を使って健康を維持・回復させるという考え方です。

提唱者は、ノーベル賞を2度受賞した科学者 ライナス・ポーリング博士。彼は、栄養素のバランスが健康に与える影響を重視してこの療法を広めました。


基本的な考え方

  • 病気の多くは 栄養素の不足やアンバランス が原因とされます。

  • 食事だけでは摂取しきれない栄養素を、サプリメントや点滴などで補うことで、身体の機能を正常に整えることを目指します。

  • 個人差を重視し、それぞれの体質や状態に合わせた栄養補給が基本です。

 

オーソモレキュラー療法を行う上でネックになるのは、保険診療か自由診療かというところで大きく変わります。保険診療内で行うには厚生省に点数が切られないように(厚生省から支払いがされない)採血する項目を制限する必要があります。そこで、保険診療内で可能な最低限の採血項目について説明します。ただ、実際の治療やサプリメント提案は自由診療になることが多いですが、基礎的な体内状態を把握するための血液検査は保険診療でカバー可能な項目もあります

 

当院ではオーソモレキュラーについては全て自由診療になりますのでご注意を

よくある、一般採血ですがこれらをオーソモレキュラー的に見るとだいぶ範囲が変わってきます。

このように、オーソモレキュラー的にはより細かな値の評価が必要になってきます。

 

一般的な医療との違い(要点)

比較 一般診療 オーソモレキュラー
見る範囲 病気の有無 栄養の過不足・未病・体質
評価基準 基準値との比較 最適値とのギャップ
重視する項目 肝臓、腎臓、血糖 栄養バランス、酸化ストレス、代謝効率
サプリ提案 基本なし 必要に応じて個別設計

と言うことになります

 

これに、自由診療でなけれ採血できない項目が加わってきます。正直どこまで掘り下げていけば良いのかということになってきますよね。

この保険診療内で得られる検査だけでも、
「体の中で何が足りないのか」「どう代謝されているか」「炎症があるか」といったことがある程度推測できます!

それに加えて、自由診療として

  • ビタミンD、B群、亜鉛、マグネシウム、ホモシステインなど

  • より細かい有機酸・アミノ酸検査

を追加していくのが、王道のオーソモレキュラー的アプローチです。

正直沼にハマる可能性があります😭

でも!しっかりと一緒に学んでまいりましょう

まずは、ASTとALTです。

ASTとALTは「肝機能検査」の代表的な項目ですが、オーソモレキュラー療法ではそれ以上の意味を持つ指標として活用されます。


 AST・ALTとは?
項目 名称 主な働き
AST(GOT) アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ 肝臓、心筋、筋肉などの細胞に存在。
ALT(GPT) アラニンアミノトランスフェラーゼ 主に肝臓に特異的な酵素。肝臓ダメージの直接的な指標。

一般的な基準値
  • AST:10〜40 IU/L

  • ALT:5〜40 IU/L
    ※基準値は検査機関により微差あり


 オーソモレキュラー的な解釈
AST・ALTが 高い場合(40以上)

これは一般医学と同じく、肝細胞の障害や炎症を示します。

原因例 解説
肝臓の慢性炎症(脂肪肝、ウイルス性肝炎など) ALTが高めに出る傾向
筋トレ・筋肉の損傷 ASTが上がる傾向
アルコール多飲 ALTやγ-GTPも要チェック
サプリや薬剤性肝障害 サプリメントの過剰摂取でもALT上昇が見られることがあります

 AST・ALTが 低い場合(15未満など)

実はあまり知られていませんが、ASTやALTが低すぎることもオーソモレキュラーでは注目ポイントです。

状態 意味
極端に低いAST.ALT(10未満) 代謝の低下、酵素の合成能力の低下(肝機能低下)
ビタミンB6不足 ALTやASTの活性にはB6が必要。不足すると数値が落ちる可能性あり。
極端な低たんぱく食・低栄養 肝臓の酵素合成が低下している可能性。

✅ ASTやALTは「高いと悪い」と思われがちですが、**オーソモレキュラーでは「低くても要注意」**なんです。

ASTとALTは「肝機能検査」の代表的な項目ですが、オーソモレキュラー療法ではそれ以上の意味を持つ指標として活用されます。

AST/ALT 比(De Ritis比)の意味とは?

**AST/ALT 比(AST÷ALT)**は、肝臓や筋肉、代謝の状態を推測するための指標です。
この比率を「De Ritis(デ・リティス)比」と呼ぶこともあります。


 AST/ALT比の読み解き
AST/ALT比 オーソモレキュラー的解釈 主な原因・状態
< 1.0 ALT優位型 軽度の肝障害(脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎など)に多い。
1.0〜1.5 バランス良好〜ややAST優位 健常者や軽度の筋肉負担で見られる正常〜やや注意ゾーン。
> 1.5 AST優位型 筋肉由来の影響、またはアルコール性肝障害の可能性。
> 2.0 強いAST優位 アルコール性肝炎や重度の肝障害の可能性大。筋破壊も考慮。

オーソモレキュラー的な観点からの補足
  • ALTは肝臓に特異的なので、ALTが高い=肝細胞への直接ダメージを示しやすい。

  • ASTは筋肉や心臓にも存在するので、筋トレ後やB6不足でも上がることがあります。

  • B6不足になると、AST・ALTのどちらも低下したり、比率が変動することがあります。


具体例で見る比率の活用

AST ALT AST/ALT比 解釈
30 15 2.0 アルコール性肝炎の可能性あり(要γ-GTPも確認)
20 30 0.67 脂肪肝やNAFLDの可能性
18 18 1.0 バランス型(理想的〜正常)
12 8 1.5 軽度のB6不足や筋由来の影響も?

 AST/ALT比を見るときの注意点

  • γ-GTPやALPも合わせて評価すると、肝胆道系の評価がより明確に

  • B6(ピリドキサールリン酸)不足 → ALT活性が低くなり、AST/ALT比が高くなる傾向

  • 筋トレや外傷の直後 → 一時的にASTが上がることがある

 

オーソモレキュラー的アプローチ
  • AST/ALT比 > 1.5 でB6不足の疑い → ビタミンB6補充(P-5-P型が理想)

  • ALTが低すぎ(<15)→ 肝酵素合成力低下、たんぱく質・ビタミン不足の可能性あり

  • ALT高 + AST低 → 慢性脂肪肝や生活習慣見直し


次回も引き続きオーソモレキュラーの勉強にお付き合いください。

まとめることがとても自分の中でも整理になります^^

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