「腰が痛くて歩けない!」 そんな時は、いわゆる「ぎっくり腰」かもしれません。
でも、「ぎっくり腰」とは一体何なのでしょうか? 実は、医学的には「ぎっくり腰」という病名は存在せず、「急性腰痛症」と呼ばれます。 しかし、その原因は一つではありません。
腰の痛みやしびれ
腰痛の原因とタイプ
急な痛み(急性腰痛・ぎっくり腰)
急に腰が痛くなる原因は人それぞれです。
・筋肉の損傷
・関節(椎間関節)の捻挫や炎症
・神経(脊髄後枝内側枝)の刺激
このように、様々な組織が原因となります。動けないほどの激痛がある場合は、無理をせず早めにご相談ください。
慢性的な痛み・足へのしびれ
慢性の腰痛や、お尻から足先まで響くような痛み・痺れ(坐骨神経痛など)がある時は、別の疾患が隠れていることがあります。 背骨の変形や、神経の通り道が狭くなる病気(脊柱管狭窄症など)の可能性があります。
当院の治療方針
痛みの原因や場所を特定し、症状に合わせた治療を行います。
ブロック注射・ハイドロリリース
原因となっている神経や筋肉に対し、神経ブロックやハイドロリリースを行うことで、痛みの軽減を図ります。
ラッツカテーテル
脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアによる、足へのしびれや痛みが強い方には、「ラッツカテーテル」という治療法をお勧めしています。 癒着した神経を剥がし、薬液を直接届ける治療法です。
関連リンク(治療法)
腰周辺の疾患
腰の痛みやしびれ に関するQ&A
ぎっくり腰になりました。温めるのと冷やすの、どっちが良いですか?
発症直後(急性期)で患部が熱を持っているような激しい痛みがある場合は、冷やして炎症を抑えるのが一般的です。数日経って痛みが落ち着いてきたり、慢性的な腰痛の場合は、温めて血流を良くする方が効果的です。自己判断が難しい場合は、早めの受診をお勧めします。
腰だけでなく、お尻や足までしびれて痛みます。
「坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)」の症状の可能性があります。腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因で、腰の神経が圧迫されて起こります。当院では、神経の周りの癒着を剥がす「ラッツカテーテル」などの専門的な治療も行っています。
「ラッツカテーテル」とはどんな治療ですか?
尾骨(お尻の割れ目付近)から細い管(カテーテル)を入れ、腰の神経の癒着部分を直接剥離し、薬剤を投与する治療法です。手術ではありませんので、体への負担が少なく、日帰りで受けていただけます。「手術はしたくないが、痛みをなんとかしたい」という方に適しています。 (→ 詳しくはこちら /treatments/racz-catheter)
ずっと腰痛持ちですが、治りますか?
長年の腰痛は、筋肉のコリだけでなく、関節の動きの悪さや、脳が痛みを記憶してしまっていることなど、原因が複雑になっている場合があります。当院では、注射治療だけでなく、リハビリテーションで身体の使い方を改善するなど、多角的なアプローチで「痛みにくい体」作りをサポートします。
【鼠径部痛】画像で異常がない場合、筋肉や神経が原因で鼠径部痛になりますか?
鼠径部痛は、股関節だけでなく、筋肉・腱・関節・神経など複数の要因で起こります。文献では、内転筋や腸腰筋などの筋・腱の負担、股関節の動きの問題、ヘルニアや神経の関与が原因になるとされています。画像で異常が見つからないことも多く、動作や痛みの出方を含めた総合的な評価が重要です。
【鼠径部痛】変形性股関節症とは違い、関節以外の筋肉や動きが原因の痛みですか?
股関節自体の病気(変形性股関節症など)でも鼠径部が痛むことはありますが、鼠径部痛の多くは関節以外が原因です。文献でも、股関節の可動域や筋の使い方により痛みが変化する場合は、筋・腱や機能的な問題が関与している可能性が高いとされています。
【鼠径部痛】スポーツや産後、長時間の座り仕事をする人に痛みは出やすいですか?
- スポーツをしている方
- 長時間座ることが多い方
- 出産後
- 股関節が硬い、または動きが偏っている方
に多くみられます。
【鼠径部痛】筋肉の負担や動きを整える治療で、鼠径部痛の改善は期待できますか?
文献では、原因に応じて筋・腱の負担を減らし、股関節や骨盤の動きを整える治療が有効とされています。痛みを我慢するより、早めに原因を整理することで慢性化を防ぐことが大切です。
【鼠径部痛】スポーツの方向転換などで、太もも内側の筋肉が原因で痛みますか?
太ももの内側の筋肉(内転筋)に負担がかかると、鼠径部に痛みが出ることがあります。スポーツや急な方向転換がきっかけになることが多く、文献でも筋・腱の使い過ぎによる障害として報告されています。
【鼠径部痛】足を上げる時や長く座る時に、鼠径部の奥が痛むのは腸腰筋ですか?
股関節を曲げる腸腰筋に炎症や緊張が起こると、鼠径部の奥に痛みが出ます。文献では、長時間の座位や反復動作による筋機能障害が原因になるとされています。
【鼠径部痛】立ったり力を入れると鼠径部が膨らみ、痛むのはヘルニアですか?
腹圧で腸などが飛び出す状態を鼠径ヘルニアと呼びます。動作や立位で違和感が増すのが特徴で、筋・関節由来の痛みとは治療方針が異なります。
【鼠径部痛】画像で異常がないのに、神経の刺激で鼠径部が痛むことはありますか?
鼠径部周囲を走る神経が刺激されることで痛みが出ることがあります。文献でも、神経痛は画像検査で分かりにくく、痛みの範囲や誘発動作が診断の手がかりになるとされています。
【鼠径部痛】スポーツ選手に多く、複数の原因が絡む慢性の鼠径部痛は何ですか?
複数の筋・腱・関節が関与する慢性的な鼠径部痛で、文献では「グロインペイン症候群」と総称されます。単一の原因ではなく、体の使い方全体を評価することが重要です。
【大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群(FAI)】股関節を曲げたりひねると骨が衝突し、痛みが出る病気ですか?
股関節を曲げたりひねったりした際に、骨同士がぶつかりやすくなり、関節内に痛みが生じる状態です。若年〜中年の方に多く、股関節の形態的特徴が関与すると文献で示されています。
【大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群(FAI)】深く曲げた時の鼠径部痛や、スポーツ動作での痛みが特徴ですか?
- 股関節を深く曲げた時の鼠径部痛
- 立ち上がりやしゃがみ動作での痛み
- スポーツ動作での違和感
安静時より動作時の痛みが目立つのが特徴です。
【大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群(FAI)】軟骨のすり減りではなく、骨の形による衝突が原因の違いですか?
変形性股関節症:軟骨の摩耗が主体
FAI:骨の形による衝突が主体
文献では、FAIが長期的に股関節症の進行因子になる可能性も示されています。【大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群(FAI)】手術ではなく、動作修正やリハビリなどの保存治療で改善しますか?
まずは股関節の使い方や可動域を調整する保存治療が基本です。文献でも、動作修正や筋機能改善により症状が軽減する例が多いとされています。
【グロインペイン症候群】鼠径部に慢性的な痛みが続く、グロインペイン症候群とは何ですか?
グロインペイン症候群とは、鼠径部(股関節の付け根)に慢性的な痛みが続く状態の総称です。特定の一つの病名ではなく、筋肉・腱・関節・神経など複数の要因が重なって起こる痛みとして、文献でも定義されています。
【グロインペイン症候群】サッカー選手やキック動作が多い人、運動習慣がない人にも起こりますか?
- サッカー、ラグビー、陸上などのスポーツ選手
- 方向転換やキック動作が多い方
- 長期間、鼠径部の違和感を我慢してきた方
に多くみられますが、運動習慣の少ない方でも起こることがあります。
【グロインペイン症候群】運動後やキック時に鼠径部の奥が痛み、休むと楽になるのが特徴ですか?
- 鼠径部の奥がズーンと痛む
- 動き始めや運動後に痛い
- キック・ダッシュ・方向転換で悪化
- 休むと一時的に楽になるが再発する
という慢性・反復性の痛みが特徴です。
【グロインペイン症候群】筋肉や関節、神経など、単一ではなく複数の原因が重なっていますか?
文献では、次の要素が複合的に関与するとされています。
- 内転筋・腹筋・腸腰筋などの筋・腱障害
- 股関節の可動域制限やFAI
- 骨盤・体幹の安定性低下
- 神経の刺激
単一原因で説明できないことが多いのが特徴です。
【グロインペイン症候群】画像で異常がない場合、痛む動作や身体機能の評価で診断しますか?
画像検査で明らかな異常が見つからないことも多く、文献でも
- 痛みの出る動作
- 圧痛部位
- 股関節・体幹の動き
を含めた機能的評価が重要とされています。
【グロインペイン症候群】安静だけでなく、リハビリや注射を組み合わせて治療を行いますか?
グロインペイン症候群の治療は、「安静」だけでは不十分とされています。
- 痛みをコントロールする治療
- 筋・腱の負担調整
- 股関節・体幹の動作改善
- 必要に応じて注射治療
などを段階的に組み合わせることが、文献でも推奨されています。
【グロインペイン症候群】放置すると慢性化し、再発やパフォーマンス低下を招く恐れがありますか?
無理を続けると、痛みの慢性化、、パフォーマンス低下、再発を繰り返すことがあります。早めに原因を整理することが、回復への近道です。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】検査異常なしでも続く痛みの原因は神経のひっかかりですか?
CTやMRIは内臓や骨の状態を調べる検査です。そのため、皮膚のすぐ下を走る細い神経が、筋肉や靭帯のすき間で圧迫されて起こる痛みは、画像に写らないことがあります。このような場合、「原因不明の痛み」と言われてしまうことがありますが、実際には神経のひっかかりが原因であることも少なくありません。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】前皮神経・上殿皮神経・中殿皮神経とはどんな働きですか?
代表的なのが、お腹の痛みに関係する前皮神経、腰からお尻の上の痛みに関係する上殿皮神経、そしてお尻の中央から仙骨周囲の痛みに関係する中殿皮神経です。これらはいずれも皮膚の感覚を伝える神経で、骨や筋膜を貫く部分で圧迫されやすい特徴があります。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】お腹の表面を指で示せるほど痛む場合、前皮神経が原因ですか?
前皮神経が原因の場合、お腹の表面に限局した痛みが出ます。患者さんご自身が「ここが一番痛い」と指で示せるほど、痛む場所がはっきりしているのが特徴です。押すと強く痛み、腹筋に力を入れたり、体を動かしたりすると悪化することがあります。内臓の病気ではないため、検査では異常が見つからないことがほとんどです。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】歩き始めや起床時に腰やお尻が痛むのは上殿皮神経ですか?
上殿皮神経が関係すると、腰の少し外側からお尻の上あたりに痛みが出ます。立ち上がる瞬間や歩き始めにズキッとした痛みを感じたり、「ぎっくり腰がなかなか治らない」と感じたりする方が多いのが特徴です。腰のレントゲンやMRIで異常がないと言われていても、この神経が原因になっていることがあります。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】仙腸関節やお尻の中央が痛む場合、中殿皮神経の症状ですか?
中殿皮神経が原因の場合、お尻の中央から少し内側、骨盤の後ろ側に痛みが出ます。寝返りや長時間座ったあとに痛みが強くなることが多く、仙腸関節の痛みと非常によく似た症状を示します。そのため、仙腸関節のトラブルとして治療を受けてきたものの、なかなか改善しないという方も少なくありません。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】指で示せる痛みや湿布が効かない症状に共通点はありますか?
いずれの場合も、痛む場所がはっきりしていて、押すと強く痛むことが多いのが特徴です。また、姿勢や動作によって痛みが変化しやすく、湿布や一般的な痛み止めでは十分な効果が得られないことがあります。これらは神経が圧迫されて起こる「神経痛」の特徴でもあります。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】痛みの原因を特定するために診察や注射で診断を行いますか?
診断で最も重要なのは診察です。痛みの場所や押したときの反応、動作との関係を丁寧に確認します。そのうえで、疑われる神経の周囲に少量の麻酔薬を注射し、痛みが軽くなるかどうかを確認します。これにより、診断と治療を同時に行うことができます。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】エコーガイド下注射やリハビリで神経の痛みを治療しますか?
治療の中心は、神経の周囲に行う注射です。超音波(エコー)で神経や周囲の構造を確認しながら行うため、安全性の高い治療です。必要に応じて内服治療や、姿勢・体の使い方を整えるリハビリを組み合わせ、再発を防ぐことも大切にしています。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】エコーで確認しながら行う神経への注射は安全な治療ですか?
これらの神経は皮膚のすぐ下を走っており、エコーで確認しながら行うことで、内臓や血管を避けて安全に治療できます。外来で短時間に行える治療で、治療後すぐに日常生活へ戻ることが可能です。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】治療回数の目安と、再発を防ぐために必要なことは何ですか?
一度の治療で大きく改善する方もいれば、症状の経過が長い場合には数回の治療が必要になることもあります。痛みが落ち着いた後も、姿勢や筋肉の緊張を整えることで、再発を防ぐことが重要です。
【前皮/上殿皮/中殿皮神経による痛み】検査で異常なしと言われた原因不明の痛みでも受診できますか?
検査では異常がないと言われたものの痛みが続いている方、痛む場所を指で正確に示せる方、腰・お腹・お尻の痛みがなかなか改善しない方は、これらの神経が原因となっている可能性があります。「原因不明」と言われた痛みの中には、適切な診断と治療で改善が期待できるものが含まれています。