神経ブロックで痛みを抑えながら行う、肩の水圧拡張術
肩関節水圧拡張術
腕神経叢ブロックで処置中の痛みをコントロールしたうえで、超音波を見ながら肩関節に生理食塩水を注入し、硬く縮んだ関節包を広げる治療法です。
水圧拡張術とは
五十肩などで硬くなった肩の関節に、生理食塩水を注入して水圧で広げていく治療です。注入前には神経のブロック注射で痛みを抑えるので、処置中の負担も少なく行えます。
水圧拡張術の主な特長
特徴1
神経ブロックで処置中の痛みを軽減
先に腕神経叢ブロックを行うことで、関節への注入時の痛みを抑えながら処置を進められます。
特徴2
水圧で関節包を直接拡張
超音波で確認しながら関節内に生理食塩水を注入し、内側から圧をかけて硬くなった関節包を広げます。
特徴3
注射のみで完了する低侵襲な治療
切開を伴わず、注射のみで行うため身体への負担を抑えられます。
このような症状の方へ
肩関節周囲炎(五十肩・凍結肩)で肩が上がりにくい、動かしにくい
肩の痛みで夜間眠れない
関節が硬く拘縮している感覚がある
これまでの治療で可動域の改善が乏しい
治療の流れ
1
診察・評価
可動域や痛みの程度を確認し、治療の適応を判断します。
2
腕神経叢ブロック
肩から腕にかけての神経の近くに局所麻酔薬を注入し、処置中の痛みを抑えます。
3
超音波ガイド下での生理食塩水注入
超音波で位置を確認しながら肩関節内に生理食塩水を注入し、関節包を拡張させます(必要に応じてステロイド薬を併用する場合があります)。
4
安静・腕の固定

腕神経叢ブロックの影響で処置後3〜4時間程度は腕に力が入りにくくなるため、三角巾で腕を固定して安静に過ごしていただいたうえでご帰宅となります。
メリットと注意点
メリット
切開不要で、注射のみで完結する
神経ブロックにより処置中の痛みを抑えられる
可動域の改善や痛みの軽減が期待できる
注意点
効果には個人差があり、複数回の治療が必要な場合があります
注射部位の痛み・内出血、まれに感染やアレルギー反応、神経損傷が生じることがあります
ステロイド薬使用時は、血糖上昇や顔のほてりなど一時的な副作用が出ることがあります
腕神経叢ブロックにより、処置後一時的に腕・手にしびれ感や動かしにくさが生じます(3〜4時間程度は三角巾での固定が必要です)
肩関節水圧拡張術 に関するQ&A
何回くらい治療が必要ですか?
効果には個人差があり、1回で改善を感じられる方もいれば、複数回の治療が必要な方もいます。症状の経過を見ながら、必要に応じて追加の治療をご提案します。
処置後、腕はいつから普通に使えますか?
腕神経叢ブロックの影響で、処置後3〜4時間程度は腕に力が入りにくい状態が続くため、その間は三角巾で腕を固定してお過ごしいただきます。感覚と力が戻ってから、通常の動作に戻っていただけます。
なぜ最初に神経ブロックをするのですか?
肩関節内への生理食塩水注入は痛みを伴うことがあるため、先に腕神経叢ブロック(肩から腕にかけての神経の近くに局所麻酔薬を注入する処置)を行い、処置中の痛みを抑えたうえで水圧拡張を行います。