固まって動かない「四十肩・五十肩」を、麻酔下で解放する治療法。
サイレントマニュピレーション

長引く四十肩・五十肩でガチガチに固まった関節を、メスを使わずに動くように改善します。
サイレントマニュピレーションとは
「肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)」などが原因で、肩関節が拘縮して固まり、腕が上がらなくなった状態(凍結肩)に対して行う治療法です。正式には「肩関節非観血的受動術」と呼ばれます。
固まった関節包を剥がして広げる
神経ブロック(麻酔)を行い、肩の痛みを抑えた状態で、医師が徒手的(素手)に肩関節を動かします。炎症によって癒着し、硬くなった関節包(関節の袋)を剥がすことで、可動域(動く範囲)の拡大を図ります。
サイレントマニュピレーションの主な特長
特徴1
メスを使わない「非観血的」な治療
「非観血的」とは、皮膚を切開して出血させないことを意味します。メスを使わず、医師の手技によって関節の動きを改善させるため、身体への負担が比較的少ない治療です。
特徴2
麻酔下で行うため施術中は無痛
「腕神経叢(わんしんけいそう)ブロック」という麻酔を首の付け根に行い、肩から腕にかけての感覚を一時的に遮断してから行います。そのため、施術中に無理やり動かされるような痛みを感じることはありません。
特徴3
リハビリテーションとの併用が必須
施術によって関節の癒着は剥がれますが、そのまま放置すると再び固まってしまう可能性があります。施術直後から適切なリハビリテーションを行うことで、改善した可動域の維持・定着を目指します。
このような症状の方へ
四十肩・五十肩と診断され、長期間リハビリをしているが改善しない
肩が固まってしまい、髪を洗ったり服を着たりするのが困難
夜中に肩が痛くて目が覚めることがある
手術はしたくないが、今の痛みをどうにかしたい
治療紹介動画
治療の流れ
1
超音波ガイド下 神経ブロック
超音波(エコー)で神経の位置を確認しながら、首の付け根あたりに麻酔(腕神経叢ブロック)を行います。
2
麻酔効果の確認
肩から腕にかけての感覚がなくなり、痛みを感じない状態になるまで十分に時間を置いて待機します。
3
マニュピレーション(施術)

医師が患者様の腕を持ち、様々な方向へ動かしていきます。癒着した関節包が剥がれる際に「ミシミシ」「プチプチ」といった音がすることがありますが、麻酔が効いているため痛みはありません。
4
可動域の確認
関節の動きが良くなったことを確認して終了します。
5
術後リハビリテーション

麻酔が切れた後から、再癒着を防ぐためのリハビリテーションを開始します。当院の理学療法士が指導を行います。
メリットと注意点
メリット
メスを使わないため傷跡が残らず、日帰りでの施術が可能です
長期間動かなかった肩の可動域が、短期間で改善する期待が持てます
全身麻酔の手術に比べて、身体への負担が少ないです
注意点
骨粗鬆症の方など、骨が脆くなっている場合は骨折のリスクがあるため、事前に検査を行い、適応を慎重に判断します
麻酔が切れた後、剥がした組織の炎症により一時的に強い痛みが出ることがあります
施術後のリハビリテーションを行わないと、再び関節が固まる(再拘縮)可能性があります
まれに神経損傷や肩関節脱臼などの合併症が起こる可能性があります
サイレントマニュピレーション に関するQ&A
サイレントマニュピレーションの施術は痛いですか?
施術中は麻酔が効いているため、痛みを感じることはありません。ただし、麻酔が切れた後に痛みが出ることがあるため、鎮痛剤などでコントロールします。
1回で治りますか?
1回の施術で可動域が大きく改善することが多いですが、その状態を維持するためには継続的なリハビリテーションが不可欠です。
高齢でも受けられますか?
基本的には可能ですが、骨が極端に弱い方(重度の骨粗鬆症など)は骨折のリスクが高まるため、検査の上で医師が慎重に判断いたします。
【肩関節周囲炎(五十肩)】注射やリハビリ、サイレントマニュピレーション等の治療法は?
治療は時期により異なります。痛みが強い時期は炎症を抑える治療や注射で痛みを和らげ、痛みが落ち着いてきたらリハビリで動きを改善します。改善が乏しい場合には、麻酔下で関節の動きを回復させる「サイレントマニュピレーション」を行うこともあります。無理に我慢せず、段階的な治療が回復を早めます。