意思とは関係なく動く筋肉の痙攣や、慢性的な痛みに。
ボトックス治療
過剰に緊張している筋肉をリラックスさせ、症状を和らげる治療法です。眼瞼痙攣(がんけんけいれん)や顔面痙攣、片頭痛などに対応しています。
ボトックス治療とは
ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質(ボツリヌス毒素)を有効成分とする薬を筋肉に注射する治療法です。筋肉を動かす神経の信号をブロックすることで、過度な筋肉の収縮(けいれん)や緊張を抑える効果があります。
医療用として確立された治療法
「ボトックス」というと美容目的のシワ取りが有名ですが、本来は眼やまぶたの痙攣、首の傾き(斜頸)、手足のつっぱりなどの治療薬として世界中で使用されています。当院では、筋肉の異常な緊張によって起こる様々な症状の緩和を目的に行います。
ボトックス治療の主な特長
特徴1
筋肉の緊張・痙攣を抑制
過敏になっている神経の働きを一時的に抑え、ガチガチに固まった筋肉や、ピクピクと勝手に動いてしまう筋肉をリラックスさせます。これにより痛みや違和感の軽減を図ります。
特徴2
短時間での施術が可能
施術にかかる時間は注射のみですので短時間で終了します。大掛かりな手術とは異なり、局所麻酔なども通常は必要とせず、そのままご帰宅いただけます。
特徴3
一定期間で効果が消失する(可逆性)
ボトックスの効果は永続的ではありません。数ヶ月から半年程度で徐々に元の状態に戻ります。これは「効果が切れる」というデメリットである反面、万が一効果が出すぎた場合でも時間が経てば戻るという安全性(可逆性)の裏返しでもあります。
このような症状の方へ
まぶたがピクピクして開けにくい(眼瞼痙攣)
片側の顔の筋肉が勝手にひきつる(顔面痙攣)
首が勝手に傾いたり、回ったりしてしまう(痙性斜頸)
慢性的な片頭痛に悩まされている
脳卒中後の手足のつっぱり(痙縮)がある
治療の流れ
1
診察・適応判断

症状の原因が筋肉の過緊張によるものか、ボトックス治療の適応となるかを診断します。使用する薬剤の量や投与部位を決定します。
2
注射(施術)
対象となる筋肉にボトックスを注射します。極細の針を使用するため、痛みはチクリとする程度ですが、痛みに弱い方はご相談ください。
3
経過観察・帰宅

注射直後は変化ありません。そのままご帰宅いただけます。効果が現れるまで数日〜2週間程度かかります。
4
再評価

効果の持続期間に合わせて、定期的な受診・治療をおすすめする場合があります。
メリットと注意点
メリット
手術を行わずに、注射だけで筋肉の痙攣や痛みを緩和できます
入院の必要がなく、施術当日から普段通りの生活が可能です
薬物療法(飲み薬)で効果が不十分だった場合の選択肢となります
注意点
効果は一時的なものであり、症状を維持するためには数ヶ月ごとの定期的な注射が必要です
注射部位に内出血、腫れ、軽い痛みが生じることがあります
稀に効きすぎてしまい、まぶたが重くなる、筋力が一時的に低下するなどの症状が出ることがあります(時間の経過とともに戻ります)
妊娠中や授乳中の方、特定の神経筋疾患のある方は受けられません
ボトックス治療 に関するQ&A
注射は痛いですか?
極細の針を使用しますので、一般的な予防接種と同程度かそれ以下の痛みです。通常、麻酔は使用しませんが、不安な方は医師にご相談ください。
どのくらいで効果が出ますか?
個人差がありますが、注射後2〜3日目から徐々に効果が現れ始め、2週間程度で安定します。即効性があるわけではありません。
効果は一生続きますか?
いいえ、ボトックスの効果は一時的です。個人差はありますが、通常3〜4ヶ月から半年程度持続し、その後徐々に効果が薄れていきます。症状が再発した場合は再投与を検討します。
顔面痙攣は、薬やボトックスでコントロール可能?治らない病気ではない?
症状の強さに応じて選びます。
- 内服治療
- ボツリヌス毒素注射(けいれんを一時的に抑える)
- 原因評価に基づく専門的治療
「治らない病気」ではなく、コントロールできる病気です。
眼瞼痙攣にボトックス注射が有効?内服や生活環境の調整で行う治療法とは?
はい。
- ボツリヌス毒素注射が有効な治療
- 内服治療
- 生活環境(光・作業環境)の調整
適切な治療で、日常生活は大きく改善します。