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認知行動療法 新しい試み

[2024.09.23]

皆様おはようございます

昨日から山中湖に泊まりに来ていて、これから富士急ハイランドへまいります。

正直、絶叫系は寿命が縮まるのでは私は乗りませんが子供らは楽しみでしょうがない様子です。

ホテルからの富士山が神々しいですね。

 

さて、当院疾患別ベスト5はいかがだったでしょうか?当院ではペインクリニックの疾患よりも圧倒的に整形疾患が多いのが特徴です。

しかし、ペインクリニックの疾患を蔑ろにしていることは全くありません。帯状疱疹後神経痛や三叉神経痛に始まり、難治性の痛みに対しても真摯に取り組んでいける体制を整えています。ただその中で、唯一と言っても過言ではないですが、当院に足りていない治療方法があります。それは、精神面からのアプローチである認知行動療法です。認知行動療法が行えない理由はいくつかありますが、僕自身が苦手な分野であり、きちんとした認知行動療法のトレーニングを受けていないことが第一です。そして、いざ行う段階になっても時間がかかってしまいます。ペインクリニックに併設してある認知行動療法がある施設には臨床心理士の先生や心療内科の先生がいることが基本です。

ただ、今回お知らせにもなりますが当院でも認知行動療法が専門医により受けることができる環境をご用意できました!

こちらが認知行動療法のリンクになります。

https://mishima-itami.com/vr%e6%b2%bb%e7%99%82-%e5%90%84%e7%a8%aemedivr%e3%80%81%e8%aa%8d%e7%9f%a5%e8%a1%8c%e5%8b%95%e7%99%82%e6%b3%95vr

では、痛みについてもう一度復習をしましょう。

痛みは大きく分けて3つ、いや4つあります。

1. 侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう)

侵害受容性疼痛は、外部からの刺激や組織の損傷により引き起こされる痛みです。例えば、切り傷ややけど、関節炎などがこれに該当します。体のどこかに炎症や損傷がある場合、痛みの受容体がその刺激を感知し、脳に痛みを伝えます。

2. 神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)

神経障害性疼痛は、神経そのものが損傷を受けた結果として生じる痛みです。たとえば、ヘルニアによる神経圧迫や糖尿病性神経障害、帯状疱疹後神経痛などが挙げられます。このタイプの痛みはしばしば、しびれや刺すような痛み、焼けるような感覚を伴います。

3. 心因性疼痛(しんいんせいとうつう)

心因性疼痛は、身体的な損傷や病気が見られないにもかかわらず、心理的な要因が強く関与して引き起こされる痛みです。ストレスや不安、うつ病などが痛みの感じ方に影響を与えることがあり、慢性的な痛みとして現れることもあります。この痛みは、身体的な治療だけでなく心理的なサポートも重要です。

そして最近心因性疼痛にとって変わった痛覚変調性疼痛という痛みが提唱されています

 

4、痛覚変調性疼痛(つうかくへんちょうせいとうつう, Nociplastic Pain

明確な組織損傷や神経損傷がないにもかかわらず、痛みが感じられる状態を指します。痛覚の処理が脳や脊髄レベルで異常を起こしているために生じる痛みです。

 主な特徴

痛みの発生源が不明確:痛みの原因となる明確な損傷や病変が見られない場合でも、痛みを強く感じることがあります。

痛みの広がり:痛みが局所的ではなく、広範囲に広がることが多いです。例えば、慢性広範痛症(Fibromyalgia)が代表的な例です。

感覚の過敏化:軽い刺激(通常は痛みを伴わないもの)に対しても、強い痛みを感じることが多いです(異常知覚、またはアロディニア)。

 原因や背景

中枢感作:中枢神経系が過敏化し、痛みの信号を過剰に送る現象が関与しています。これにより、痛みを感じやすくなり、持続的な痛みが発生します。

ストレスや心理的要因:ストレスや心理的な負担が痛みを悪化させることが多く、心と体の相互作用が大きく関与しています。

 治療方法

侵害受容性疼痛や神経障害性疼痛とは異なり、鎮痛薬や抗炎症薬があまり効果を示さないことが多いです。そのため、治療には痛みの管理に焦点を当てた多角的なアプローチが推奨されます。

薬物療法:抗うつ薬や抗けいれん薬が中枢神経系の過敏化を抑えるために使用されることがあります。

心理療法:認知行動療法(CBT)やマインドフルネスが、痛みの認識を改善するのに役立つことがあります。

理学療法や運動療法:適度な運動が、体の機能を回復し、痛みを軽減するのに有効です。

 

ということで、心理療法ができる環境が必要になってくるのです

 

3と4の心因性は以前は社会心理的疼痛と言われたり、今回の痛覚変調性疼痛と同じように使われることもありますが要は心理的な要因が脳そのものの変化やそれに伴う慢性痛を引き起こしているといわけです。

 

ではその認知行動療法とは?ですが

認知行動療法(CBT, Cognitive Behavioral Therapy)

心理療法の一種で、患者の思考や行動のパターンを変えることで、感情や行動に影響を与え、問題を解決することを目指します。特に、ストレス、不安、うつ病、そして慢性痛などの心理的および身体的な問題に対して効果的です。

基本的な理論

認知行動療法の基礎には、「人の感情や行動は、出来事そのものではなく、出来事に対する解釈や思考に影響される」という考え方があります。たとえば、同じ出来事でも、人によってはポジティブに捉えたり、ネガティブに捉えたりします。この捉え方が、感情や行動に直接関係します。

主な要素
  1. 認知の変化:個人が持つ否定的な考えや不合理な信念を見つけ、それをより現実的で前向きな考えに変えることを目指します。

    • 例: 「私は痛みに耐えられない」と思っている場合、それを「痛みは辛いが、コントロールできる方法がある」に置き換えるようにします。
  2. 行動の変化:問題を悪化させる不適切な行動や反応を特定し、それをより適切な行動に変えるよう働きかけます。

    • 例: 痛みがあるときに活動を避ける代わりに、徐々に活動を再開していくことで、体の機能回復を促します。
  3. 感情の調整:思考や行動の変化を通じて、ストレスや不安、痛みの感じ方を軽減し、感情的な健康を改善します。

認知行動療法のプロセス

CBTでは、以下のステップが一般的に取られます。

  1. 問題の特定:患者が抱える心理的、感情的な問題を特定します。
  2. 思考パターンの分析:患者の思考パターンを観察し、ネガティブな自動思考や非合理な信念を特定します。
  3. 新しい思考の導入:よりバランスの取れた、現実的な思考に置き換えるためのトレーニングを行います。
  4. 行動の変化:ポジティブな行動を促進するように、日常生活に取り入れられる具体的な行動変化を支援します。
  5. 効果の評価と調整:進捗を確認し、必要に応じてアプローチを調整します。
慢性痛に対する効果

慢性痛においては、認知行動療法が非常に有効です。痛みそのものを取り除くわけではありませんが、痛みに対する認識を改善することで、患者が痛みをより効果的に管理し、生活の質を向上させるのに役立ちます。たとえば、痛みに対する恐怖心を軽減し、活動的な生活に戻る手助けをします。

認知行動療法は、薬物治療だけでは難しい心理的側面にもアプローチできるため、総合的な痛み治療の一環として広く使用されています。

 

そこで今回、その認知行動療法のスペシャリスト、ぺぺぺぺインカードの生みの親である みおしん先生に外来をオンラインで行なっていただくことになりました!

10月1日から開始いたしますが、基本的には当院に通われている患者様で、私が必要だと判断した方にのみ限らせていただくためオンラインでのご予約はできません

 

 

ということで、10月からさらに新しくなる当院の医療にご注目ください!

ではまた

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