本から学ぶ健康の基本 vol.3
おはようございます
最近、年末ということもあり飲み会が連続であり摂取カロリーがとんでもないことになっている気がします。
なかでも、私は肉が好きなので焼き肉やステーキばかり食べてしまうのですが、果たして肉ばかり取るのはどうなんでしょ?
ということで、肉食についてお話しします。
『「肉食」のすすめ──健康長寿のための新常識』(渡辺信幸/PHP新書)
――「肉は悪」という誤解を解く医師の視点
「肉は太る」「コレステロールが上がる」「老化を早める」――。
長年こうしたイメージが根強く、肉は“ほどほどに”が常識とされてきました。
しかし、医師の渡辺信幸先生が著した『「肉食」のすすめ』(PHP新書)は、その常識を真っ向から覆す一冊です。
渡辺先生は、長年の臨床経験とデータに基づき、「肉こそが健康長寿を支える最強の栄養源である」と説きます。
本書の主張は明快です。
人間の体はたんぱく質でできており、筋肉・骨・皮膚・免疫細胞のすべてが、日々アミノ酸から再合成されています。
つまり、肉を食べることは“生命の更新”そのものなのです。
特に高齢者では、食が細くなりタンパク質が不足することで筋肉量が減少し、サルコペニアや転倒、免疫低下へとつながります。
「食べない方が健康」と信じて食事量を減らすことが、逆に老化を早めてしまう――これは臨床でもよく見られる現象です。
では、なぜ肉がそこまで重要なのでしょうか。
肉には必須アミノ酸がバランスよく含まれ、鉄・亜鉛・ビタミンB群など、疲労回復や神経機能に欠かせない栄養素が豊富です。
植物性タンパク質では代替できない「ヘム鉄」は、血液中の酸素運搬を支えるため、慢性疲労・冷え・集中力低下の改善にも関与します。
また、赤身肉のカルニチンは脂肪燃焼を促し、筋肉内でのエネルギー代謝を高めます。
つまり、肉をしっかり食べることは、“動ける体”と“考える脳”の維持につながるのです。
渡辺先生が提唱するのは、“肉だけ”を食べる極端な食事ではありません。
キーワードは「赤身肉+野菜+発酵食品」。
肉からはタンパク質と鉄を、野菜からはビタミン・食物繊維を、発酵食品からは腸内環境を整える善玉菌を摂取します。
この組み合わせが、炎症を抑え、代謝を最適化する理想的な栄養バランスを生み出すのです。
私自身、診療で慢性痛や疲労感を訴える方に食生活を聞くと、「野菜中心で肉は控えています」という方が少なくありません。
ところが、血液検査ではアルブミンやフェリチン(鉄貯蔵量)が低下しているケースが多く、その回復のために食事内容を見直していただくと、驚くほど体調が改善することがあります。
筋力や免疫力、痛みの回復力は、結局のところ細胞を作る素材が足りているかどうかで決まるのです。
本書で印象的なのは、「肉を食べることは、生きる意欲を取り戻す行為でもある」という言葉です。
実際、食事量が増えると表情が明るくなり、活動量も増えていく。
これは単なる栄養補給ではなく、脳内でドーパミンやセロトニンが活性化し、“生きるエネルギー”が回復するためだと考えられます。
肉は単に筋肉を作るだけでなく、心を支える食べ物でもあるのです。
もちろん、過剰な脂身や加工肉の摂りすぎは避けるべきです。
しかし、赤身肉を適量、バランスの良い食事の中で楽しむことは、老化予防・免疫維持・メンタル安定のすべてに寄与します。
渡辺先生が本書で繰り返し述べるように、「食べることを恐れず、正しく食べること」こそが健康の基本です。
“食べない健康法”が流行する時代だからこそ、
“しっかり食べて動く”という原点に立ち返る。
『「肉食」のすすめ』は、その当たり前を科学の力で再確認させてくれる一冊です。
🩺院長メモ:
加齢・慢性痛・疲労回復にはアミノ酸と鉄が不可欠。
「動けない」「治りにくい」背景には、栄養の不足が隠れていることが多い。
食事の量よりも「質」と「目的」を意識することが、真の健康への第一歩です。
次は、プラセンタについてまとめたことをお知らせします
